5月15日に26名の最終登録メンバーを発表する日本代表は、史上初めて「予選通過」ではなく「ベスト8の壁を破る」ことを公式の目標に掲げて北中米へ向かう。
2025年3月20日、日本代表はバーレーンに2-0で勝利し、世界最速で2026年ワールドカップ出場を決めた。最終予選を10試合で6勝1分1敗、勝点19。アジア最終予選における歴代最少敗戦数の記録だ。あれから1年あまり、森保一率いる日本代表は北中米大会の本番を迎える段階に入った。
開幕は6月11日。日本のグループF初戦は6月17日、ウルグアイ vs スウェーデンの結果が出た直後の組み合わせを待つ位置にある。対戦相手はオランダ、スウェーデン、チュニジア。森保監督が記者会見で「死の組」と認めた抽選結果だ。
5月15日のメンバー発表——14人は事実上確定

日本サッカー協会は5月15日(金)14時、東京の高円宮記念JFA夢フィールドで26名の最終メンバーを発表する。会見には宮本恒靖会長、山本昌邦ナショナルチームダイレクター、森保一監督が出席。発表後の5月31日、国立競技場でアイスランドとのキリンチャレンジ杯を戦い、その晩のうちに事前合宿地のメキシコ・モンテレイへ発つ。
第二次森保政権の出場時間ランキングを見れば、26名のうち14名は事実上確定している。
GK鈴木彩艶(パルマ、出場時間1980分)。DF板倉滉(アヤックス)と伊藤洋輝(バイエルン)。MF遠藤航(リバプール)、守田英正(スポルティング)、田中碧(リーズ・ユナイテッド)。ウイングバック三笘薫(ブライトン)、伊東純也(ヘンク)、中村敬斗(スタッド・ランス)。2シャドー南野拓実、久保建英(ともにレアル・ソシエダ)、鎌田大地(クリスタル・パレス)。1トップ上田綺世(フェイエノールト)。堂安律(フランクフルト)も核となる出場時間順位5位以内に入っている。
森保監督が一貫して採用する3-4-2-1は、カタール大会のスペイン戦で逆転勝利を呼んだ陣形だ。カタールから3年半、その骨格は変わっていない。変わったのは、層の厚さである。バーレーン戦後の会見で森保監督は「呼びたい選手はめちゃくちゃいます」と発言した。日本代表で監督が選考の悩みをこの形で公言したのは記録にない。
残り12枠の争点は、怪我からの復帰選手にある。冨安健洋(アヤックス、1年9か月ぶり代表復帰)、長友佑都(FC東京、38歳)、毎熊晟矢(AZ)の3名が、5月15日までに最終調整を間に合わせる必要がある。サッカーダイジェストの予想記事では、東京五輪代表のキャプテンを務めた藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)の抜擢が有力視されている。
「2026年に勝つチーム」を作った2試合

2025-26シーズンの森保ジャパンには、サッカー史に残る2試合がある。
2025年10月14日、東京スタジアム。日本3-2ブラジル。日本がブラジルA代表に勝利したのは史上初。過去13試合は2分11敗、得失点差マイナス38という対戦成績だった14試合目で、日本は前半で2-0からビハインドを背負ったあと、後半に3得点を奪って逆転した。終了間際の決勝点は上田綺世。試合後、ブラジルの新監督アンチェロッティは「我々の組織が崩れた瞬間に、日本の選手は容赦なく走り続けた」と語った。
2026年4月1日、ウェンブリー・スタジアム。日本1-0イングランド。アジアのA代表がイングランドA代表をホームで破ったのは、これも史上初。決勝点はキャプテンマーク代行の三笘薫。試合中、ウェンブリーのイングランドサポーターは前半から自軍にブーイングを送り続けた。森保監督は試合後に「イングランドはまだベストメンバーを揃えていなかったが、それでも私たちは持っているものを出し切った」と冷静にコメントしたが、フランスの『L’Equipe』はワールドカップの監督ランキングで森保を世界2位に位置付けた。
この2試合の意味はテーマが似ている。日本は「アジアでは強い」段階を確実に脱した。森保ジャパンは個の力で南米の代表とも欧州の代表とも互角以上に戦える初めての日本代表だ。
森保監督自身も歴史を更新している。2025年11月18日のキリンチャレンジカップ・ボリビア戦(3-0勝利)で、歴代日本代表監督として初の通算100試合指揮を達成した。第二次政権下での監督続投は史上初の異例措置で、日本サッカー協会が森保に賭けた金額は年俸2〜3億円と推定される。
グループFで「死の組」を抜けるには
オランダ、スウェーデン、チュニジア。日本がグループFで2位以内に入ってラウンド32に進むためには、最低でも1勝1分が必要だと考えられている。
オランダは欧州予選G組をロナルド・クーマン監督下で無敗首位通過した。メンフィス・デパイ(オランダ歴代得点記録保持者)、ヴィルジル・ファン・ダイク、フレンキー・デ・ヨングを軸に、若手のシャヴィ・シモンズ、コーディ・ガクポ、ジェレミー・フリンポンが攻撃を担う。日本にとってのオランダ戦は、ジョホールバル、ドーハに次ぐ歴史的な関係性を持つ対戦相手だ(98年フランス大会の0-1、10年南アフリカ大会の0-1、22年カタール大会のラウンド16進出後の延長前のオランダ戦招待。日本がオランダから公式戦勝利を得た記録はない)。
スウェーデンはUEFAネーションズリーグ経由でプレーオフに到達し、本戦への切符をつかんだ。ヨン・ダール・トマソン監督下、アレクサンダー・イサク(ニューカッスル)と過去最高のFIFAランキング18位の状態で本大会に向かう。中盤のヴィクトル・ジョケレシュ(アーセナル)は、欧州5大リーグ得点ランキングのトップ5常連。
チュニジアはアフリカ予選H組を首位で通過した。ジェマ・モハメド・アリ・ベン・ロムダンの劇的決勝弾で出場権を確定させた。アフリカ・ネイションズカップ準決勝の常連だが、ワールドカップではグループステージ突破経験がない。
森保監督は4月の会見で**「すべての対戦相手は我々より格上だが、すべての対戦相手に勝つチャンスがある」**と発言した。これは日本代表監督が会見で「格上」を認めた最後のシーズンとなる可能性が高い。
4年前の悔しさ——「ベスト8の壁」

2022年カタール大会で日本はドイツ、スペインに勝利してグループ首位通過し、ラウンド16でクロアチアと対戦した。1-1で延長戦に突入し、PK戦を1-3で敗退。日本代表のラウンド16敗退は、これで4回目(2002、2010、2018、2022)。1度もベスト8の壁を超えていない。
森保監督は2022年のクロアチア戦敗退について、後に「PKを蹴る選手の選定に時間をかけすぎた」と振り返っている。2026年大会では、ラウンド16の準備として国際大会のPK戦を想定したセットプレー練習を集中的に組んだことが、日本サッカー協会から公表されている。
過去のベスト8をかけたPK戦——2002年トルコ戦の0-1敗退、2010年パラグアイ戦の3-5敗退、2018年ベルギー戦の2-3逆転敗退、2022年クロアチア戦の1-3PK敗退——を超えることが、森保ジャパンが公式に掲げる目標だ。
5月31日、アイスランド戦——壮行試合の意味
国立競技場でのキリンチャレンジ杯アイスランド戦は、26名発表後の最初で最後のテストになる。森保監督は4月24日の取材で、26名以外の「追加選手」も招集する方針を明らかにした。理由は欧州5大リーグのシーズン日程との重複で、本来26名で臨む予定が、選手のコンディション調整のため一部を入れ替える可能性があるためだ。
プレミアリーグの三笘薫、ラ・リーガの久保建英、セリエAの鈴木彩艶、ブンデスリーガの伊藤洋輝など、欧州組の試合終了は5月23日〜24日となる。31日のアイスランド戦に出場すると、6月11日の大会開幕までオフなしの状態となるため、欧州組の負荷管理が課題だ。
試合後、チームは即座にメキシコ・モンテレイへ発つ。事前合宿地は北中米大会のすべての日本代表試合のホームベースとして機能する。グループFの試合会場は、日本対オランダ(6月17日、シアトル・ルーメン・フィールド)、日本対スウェーデン(6月22日、フィラデルフィア・リンカーン・ファイナンシャル・フィールド)、日本対チュニジア(6月26日、SF Bay・リーバイス・スタジアム)の3か所。日本サポーターは大陸を横切る移動を強いられる。
35日後、日本はどこへ向かうのか
森保ジャパンが目指すのは「ベスト8」ではない。北中米大会の体制下で、JFAは公式声明として「日本サッカー史上最高の成績」を目標として掲げている。これはベスト8以上を意味する。
ベスト8に到達した過去のアジア代表は、2002年韓国(ベスト4)、2022年モロッコ(ベスト4——ただしモロッコはCAFアフリカ)の2チームのみ。日本がアジア勢として初めて単独でベスト8入りすれば、それは日本サッカー協会の長年のロードマップの最初の達成となる。
5月15日に26名が発表される。森保監督は同日の会見で、26名のリストの裏側にある選考理由をすべて公表すると発言している。「呼びたい選手はめちゃくちゃいる」と本気で語る指揮官の決断が、35日後の本番でどう結実するか。
「自分のキャリアの中で、ここまで層の厚いチームは初めて指揮しています」。森保監督が4月の取材で語ったこの一言は、彼が記者会見で見せる謙虚な姿勢の中で、ほとんど唯一の「自信の表現」だった。
ワールドカップは6月11日に始まる。日本は6月17日、シアトルでオランダと戦う。35日後、決勝の舞台MetLife Stadiumに、サムライブルーは到達できるか。


